電解研磨とは
電解研磨とは、研磨する製品を陽極、対極に陰極を用意して、電解槽に電解液を満たし、直接電流を流すことで研磨する表面処理方法です。電解液には硫酸やリン酸、アルカリ液が用いられ、50A/dm2以上の高い電流密度で直流電流を流します。
電解研磨の特徴は、平滑で汚れが付きにくいクリーンな研磨面になること、高い耐食性を持つ研磨面になること、そして電気化学的な研磨のために残留応力が発生しないこと、高級感のある光沢仕上げ面になることなどです。こうした特徴から電解研磨は、建材や医薬品、食品関連などに使われる製品の処理工程として採用されています。
電解研磨の原理
以下の原理によって、ステンレスでは電解研磨によって平滑で耐食性の高い表面が得ることができます。
1.粘性膜の生成
研磨する製品を電解液に浸すと、金属表面にイオンが溶け出して、電気抵抗性が非常に高い液体の粘性膜がステンレス表面に生成される。
2.粘性膜の平滑化
粘性膜は、ステンレス表面の凸部で薄く、凹部で厚くなり、電解液側では平面となる。
3.凸部での優先的な加工
粘性膜が薄く電流が流れやすいステンレス表面凸部で優先的に溶解が進み、凹凸がなだらかになり平滑化が進行する。
4.不動態被膜の生成&不純物の除去
溶解が進行した箇所で、溶解したステンレスの主成分の鉄とクロムのうち、クロムが酸素と結合して不動態被膜を生成する。また、溶解作用によって、表面の不純物が除去される。
5.不動態被膜の均一化
電気抵抗が大きい不動態被膜では、被膜の薄いところでは電流が流れやすくなり、その結果として不動態被膜の厚さが均一化される。
電解研磨は確かな技術力を持った業者に任せる必要がある
電解研磨は、業者によって仕上がり品質に大きな差が生じる表面処理です。例えば、複雑な形状の電解研磨を行う場合、対極を適切に設置しなければ、表面に均一な電解研磨をかけることができません。また、電解研磨液の洗浄にも高度な技術が必要です。電解研磨液は洗浄直後では無色透明で見えませんが、長期間使用していると、洗浄が悪い場合は電解研磨液が析出し、意匠性と安全性に悪影響を及ぼします。
したがって、電解研磨は確かな実績をもった専門業者に任せるべき表面仕上げと言えます。
当社では電解研磨を行った実績を多数有しております。電解研磨でお困りのことがございましたら、お気軽に当社までご連絡ください。