バフ研磨とは
バフ研磨とは、ステンレス(SUS)の表面を研磨する方法です。バフとは、英語の「buff(=磨いて輝かせる)」に由来しており、ステンレスを研磨するために使われる、布や綿、ウールで作られた円盤状の研磨用道具の名称です。
バフ研磨には様々な種類がありますが、多くの場合は「●●番」といった番手で区別しています。一般的には、その数字が大きくなるほどグレードが高くなり、800番であれば鏡面加工が可能になるなど、表面に光沢が生むことができます。
バフ研磨の特徴
通常、バフ研磨の主な目的は研磨ですが、それ以外にも様々な用途でも用いられています。例えば、バフ研磨によってバリや傷の除去をしたり、凹凸をなくすことで製品表面の平滑度をあげることができます。これは、メッキや塗装加工前に、製品表面を磨いて平滑にするという目的で使用されます。
また、バフ研磨による微小な加工によって、製品表面を高精度かつ美しくするだけでなく、乱反射を防ぐ効果もあります。
そのほかにも、付着物の除去や、溶接ビードの除去のためにも、バフ研磨は有効な手段です。
バフ研磨剤の種類
研磨の際には、酸化アルミニウムなどの研磨剤を、脂肪酸等の油と一緒に練りこんで塗布し、回転モーターで回転させた布地をワークに押し当てます。研磨対象の素材や使用用途によって、バフや研磨剤を選定します。
研磨剤には様々な種類があり、アルミナ系、トリポリ系、青棒系、グリーンライム系、樹脂系、グリース棒系など様々です。ステンレスでは主に、アルミナ系、青棒系、グリーンライム系が目的に応じて使い分けられます。
また、性状によって固形バフ研磨剤と液状バフ研磨剤に分かれますが、特に後者の液状バフ研磨剤の中のエマルジョン性が主流になります。
バフ研磨における注意点
非常に精度の高い外観品質を得られるバフ研磨ですが、デメリットとしてはコストがかかることがあげられます。バフ研磨は手作業で行うため、他の表面仕上げ処理方法と比較すると、どうしてもコストが上がってしまいます。
当社では、製品の仕様用途によっては、電解研磨などへの工法転換によるコストダウン提案もいたします。ステンレス表面の仕上げ処理にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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